会員の方は 会員ログイン ›

社労士のホームページ集客|問い合わせが来る事務所サイトの作り方、載せるページ・地域検索・作ったあとの測り方

「ホームページはあるけれど、問い合わせはほとんど来ない」。社労士事務所の支援をしていると、よく聞く悩みです。原因の多くは、デザインではなく中身と置き場所にあります。この記事では、載せるページ、トップページで伝えること、地域名での検索、広告の注意点、作り方の選び方、公開後にやることを順に整理します。

この記事の要点

  • 事務所ホームページを開設しているのは39.9%、「特段情報発信はしていない」は50.8%。開業5年未満でも開設は37.6%にとどまる。
  • 売上が高い事務所ほど開設率が高い(500万円未満26.4% → 1億円以上88.8%)。ただし相関であって、作れば売上が上がるという意味ではない。
  • トップページで最初に伝えるのは「誰の・どんな困りごとを・どう助けるか」。
  • 地域の検索は、Googleビジネスプロフィールの関連性・距離・知名度で決まる。お金で順位は上げられない。
  • 連合会の会則で誇大・虚偽の広告は禁止。お客様の声は実在するものだけを、了承を得て載せる。
  • 公開したらSearch Consoleに登録し、表示回数・クリック数と、問い合わせの数を毎月見る。

実態調査で見る、ホームページを持っている事務所の割合

全国社会保険労務士会連合会の「2024年度社会保険労務士実態調査」では、個人事務所の代表と社労士法人の代表社員(14,469人)に、事務所としての宣伝や情報発信の方法を聞いています。

区分事務所ホームページ開設特段情報発信はしていない
全体39.9%50.8%
開業5年未満37.6%53.7%
開業5〜9年42.9%48.8%

(複数回答)

社長が「社労士 〇〇市」と探したとき、半分の事務所は、自分からは何も発信していないということです。

売上・事務所の人数との関係

同じ調査を売上の区分で分けると、次のようになります。

年間売上ホームページ開設
収入なし16.4%
500万円未満26.4%
500万〜1,000万円未満40.9%
1,000万〜2,000万円未満48.1%
2,000万〜3,000万円未満56.8%
3,000万〜5,000万円未満66.2%
5,000万〜1億円未満78.8%
1億円以上88.8%

従業員が所長1人だけの事務所では30.4%、21人以上では87.2%です。売上が高い事務所、人数の多い事務所ほど、ホームページを持っている割合は高くなっています。ただし、これは相関であって因果ではありません。売上や人手に余裕があるから作れている、という面もあるはずです。「ホームページを作れば売上が上がる」と読むのではなく、「伸びている事務所の多くは、会社が事務所を調べたときの受け皿を持っている」と受け止めるのがよいでしょう。

顧問先の数ごとの比較や、ほかの発信方法の割合は社労士の集客方法13選でまとめています。

社労士のホームページの3つの役割

ホームページに期待することを、最初にはっきりさせておきます。役割は次の3つです。

役割社長の行動ホームページに必要なもの
1. 見つけてもらう「社労士 〇〇市」「就業規則 見直し」などで検索する地域名・業種・困りごとの言葉が入ったページ、Googleビジネスプロフィール
2. 比べられたときに選ばれる紹介された事務所や、検索で出た2〜3の事務所を見比べる強み、料金、所長の顔と考え方、事例
3. 問い合わせの入口になる「一度話を聞いてみよう」と思う問い合わせの方法、最初の相談の流れ、問い合わせる理由

見落とされやすいのが2つ目です。支援の現場では、紹介された社長も、連絡の前に事務所名で検索して確かめることがよくあります。中身が薄いと、紹介があっても話が進まないことがあります。

載せるべきページ

最初からたくさんのページは要りません。次の7つがそろっていれば、十分に機能します。

ページ載せることポイント
トップ誰の・どんな困りごとを・どう助けるか、各ページへの道案内次の章でくわしく説明
サービスと料金支援の内容、プラン、料金、含まれるもの金額の横に「何をしてもらえるか」を書く
事務所と所長の紹介所長の顔写真・経歴・考え方、事務所の所在地、登録している社労士会誰が対応するのかが見えると、問い合わせの不安が減る
事例・お客様の声支援した会社の困りごとと、何をしてどう変わったか実在するものだけ。了承を得て載せる
ブログ・お知らせ社長がよく検索する疑問への答え、法改正の解説続けられる頻度で
問い合わせフォーム、電話、相談の流れ入力項目は最小限に
プライバシーポリシー個人情報の利用目的、取り扱い問い合わせフォームから見える位置に

サービスと料金

料金は載せたほうが、比べる側の社長は安心します。プランの分け方、「○円〜」の使い方、税込・税別の書き方などは、社労士の料金表の作り方の「ホームページでの料金表の見せ方」でくわしく解説しているので、ここでは繰り返しません。

ホームページ側では、サービスのページから料金と相談の流れへ、すぐたどり着けるようにしておきます。

事務所と所長の紹介

経歴を年表のように並べるより、なぜこの仕事をしているのか、どんな会社の役に立ちたいのかを、所長自身の言葉で書きましょう。Googleの検索セントラルでも、コンテンツの作成者が誰かを明確にすることが勧められています。ブログの記事にも、書いた人の名前と経歴を添えておきます。

事例・お客様の声

事例やお客様の声は、比べられたときに強い材料になります。ただし、次の2点は必ず守ります。

  • 実在するものだけを載せる:開業直後で事例がない場合は、無理に作らず、「こういう会社を支援したい」「前職でこんな経験をした」と書けば足ります。
  • 顧問先の了承を得てから載せる:社労士法では、開業社労士は正当な理由なく業務で知り得た秘密を漏らしてはならないとされています(第21条)。会社名を伏せる場合も、業種・規模・地域の組み合わせで会社がわかってしまうことがあるので、載せる内容は先方に確認してもらいましょう。

プライバシーポリシー

問い合わせフォームでは、名前や会社名、連絡先といった個人情報を受け取ります。個人情報保護法では、本人から書面(電子的な記録を含む)で直接個人情報を取得する場合は、あらかじめ利用目的を本人に明示することになっています(第21条第2項)。プライバシーポリシーのページを用意し、フォームの近くにリンクを置いておきましょう。

トップページで伝える「誰の・どんな困りごとを・どう助けるか」

トップページを開いた社長が最初に知りたいのは「この事務所は、うちの話を聞いてくれそうか」です。一番上が「〇〇事務所へようこそ」「何でもご相談ください」だけでは、どんな会社の、どんな困りごとに強いのかが伝わりません。

一番上に置く1文の作り方

次の3つを1文にまとめます。

  1. 誰の:業種・規模・地域(例:〇〇市の、従業員10〜50人の介護事業所)
  2. どんな困りごとを:社長が自分の言葉で感じている悩み(例:職員が定着しない、シフトと残業の管理が回らない)
  3. どう助けるか:何をして、どうなるのか(例:就業規則と評価の仕組みを一緒に見直し、毎月の面談で運用まで伴走する)

例えば「〇〇市で、職員が辞めない介護事業所づくりを、就業規則と評価の見直しから一緒に進める社労士事務所です」のような形です。相手を絞ったほうが、その会社に「自分のことだ」と感じてもらいやすくなります。強みと相手の決め方は、社労士のマーケティングのステップ1で解説しています。

その下に、よくある困りごと、支援の内容とプランの概要、事例、所長の紹介、相談の流れ、新しいブログ記事、所在地と対応地域を順に置くと、上から読むだけで判断できるページになります。

問い合わせのハードルを下げる

社長にとって、知らない事務所に問い合わせるのは勇気が要ります。次のような工夫で、「聞いてみよう」と思ってもらいやすくなります。

  • 最初の相談の時間と費用、オンラインでもよいかを書く
  • 問い合わせのあと何が起きるかを書く(例:返信 → 日程調整 → 30分の相談)
  • フォームの入力項目を、名前・会社名・連絡先・相談内容くらいに絞る
  • 問い合わせる前に読める資料やチェックシートを用意する

なお、連合会の会則では、受任するときに業務の内容と報酬を書面などで明示し、十分に説明することが定められています(第43条の3)。

地域名で探されるための準備

地域の会社を顧問先にしたい事務所なら、地域名で検索されたときに出てくるための準備が欠かせません。準備は、ホームページ側とGoogleビジネスプロフィール側の2つです。

ホームページ側:地域名と、社長が使う言葉を入れる

Googleの「SEOスターターガイド」では、ユーザーが検索しそうな語句を考え、読みやすく、ユーザーの役に立つコンテンツを作ることが勧められています。社労士事務所なら、次の点を見直しましょう。

  • ページのタイトルに地域名と内容を入れる(例:〇〇市の社労士事務所|就業規則・労務相談)
  • 対応地域を本文に書く(例:〇〇市を中心に、オンラインで□□県全域に対応)
  • 専門用語ではなく社長の言葉で書く(「36協定」より「残業 ルール」で探す社長もいます)

同じガイドには、Googleで順位がトップになる秘訣はないこと、変更が反映されるまでに数時間から数か月かかることも書かれています。すぐに結果が出なくても、中身を整えて待つのが基本です。

Googleビジネスプロフィール:地図に出る事務所の情報

「社労士 〇〇市」と検索したときに、地図と一緒に出てくる事務所の情報が、Googleビジネスプロフィールです。

Googleのヘルプでは、ローカル検索の結果は主に次の3つを組み合わせて決まると説明されています。

要素意味事務所でできること
関連性検索された言葉と、プロフィールの内容がどれだけ合っているか業種(カテゴリ)、サービス内容、説明文を正確に、くわしく書く
距離検索した人と事務所がどれだけ近いか所在地やサービス提供地域を正しく登録する
知名度事務所がどれだけ広く知られているかクチコミ、ホームページの情報、発信を積み重ねる

同じヘルプでは、オーナー確認、情報を正確に保つこと、クチコミへの返信、写真の掲載が勧められています。また、ランキングを上げるための依頼や支払いには一切応じていないと明記されています。「お金を払えば上位に出せます」という営業には注意しましょう。

登録のルールとして、Googleのガイドラインでは次の点が定められています。

  • ビジネス名には、正式な名前以外の宣伝文句などの不要な情報を含めない(含めるとプロフィールが停止される場合がある)
  • 顧客の所在地に出向いてサービスを提供する形の事業は、拠点の住所を登録したうえで住所を非表示にし、サービス提供地域を指定する
  • 実際にサービスを提供していない、郵送先として借りているだけの住所(バーチャルオフィス)では登録できない

自宅で開業して来客を受けず、顧客の会社に出向いて仕事をする形なら、2つ目のルールに沿って住所を非表示にします。

クチコミの扱い

Googleのポリシーでは、割引や金銭などの見返りと引き換えのクチコミや、雇用関係などがある人による利益相反の投稿が禁止されています。所長や職員が自分の事務所のクチコミを書くのはやめ、顧問先には見返りをつけずに「よろしければ」と案内するところまでにとどめます。

広告・表示で気をつけること

ホームページも、事務所の広告・宣伝の一つです。

社労士法と連合会の会則

根拠内容
社労士法 第16条社労士は、社労士の信用または品位を害するような行為をしてはならない
社労士法 第21条開業社労士などは、正当な理由なく業務で知り得た秘密を漏らしたり盗用したりしてはならない
連合会会則 第43条の4第3項誇大または虚偽の事項により相手方を欺くおそれがある方法で、広告または宣伝を行ってはならない
連合会会則 第43条の4第4項相手方の承諾を得ずに、電子メールで広告を送信してはならない

「必ず助成金がもらえます」のように結果を約束する書き方、実際より多い顧問先の数、根拠のない「地域No.1」、実在しないお客様の声は避けましょう。問い合わせてくれた人や名刺交換した人に、承諾なくメールマガジンを送るのも、会則で禁止されている広告メールにあたるおそれがあります。

景品表示法

消費者庁によると、景品表示法は、サービスの内容を実際より著しく優良であると一般消費者に示す表示(優良誤認表示)や、料金などの取引条件を実際より著しく有利であると誤認される表示(有利誤認表示)を禁止しています。年金の相談など、個人の方向けのサービスを載せる場合は対象になり得ます。

また、2023年10月1日からは、広告であることを隠す表示(いわゆるステルスマーケティング)も景品表示法違反になりました。事業者が第三者に依頼・指示して書いてもらったものも広告にあたります。お客様にSNSやレビューで紹介を頼む場合は、事務所が依頼したものだとわかる形にしておきましょう。

料金の税込・税別の書き方(総額表示)は、社労士の料金表の作り方を参照してください。

ホームページの作り方の比較

作り方は大きく4つあります。費用は内容や依頼先によって大きく変わるので、ここでは金額ではなく、それぞれの向き不向きを比べます。

作り方よいところ気をつけること
自作(作成サービスなど)思い立ったときにすぐ直せる作りっぱなしになりやすい
テンプレート(士業向けのひな形など)ページの構成が最初からそろっているほかの事務所と同じ文章にしない
制作会社に依頼見た目や使いやすさを整えてもらえる公開後に自分で更新できるかを確認する
生成AIを使って作る下書きや構成づくりが早い事実確認と、所長の考えを入れるのは人の仕事

どの方法でも、「誰の・どんな困りごとを・どう助けるか」と料金は、所長が決めるものです。制作会社に頼む場合も、ここが決まっていないと、見た目はきれいでも中身が「何でもできます」のホームページになってしまいます。

制作会社に頼む場合は、公開後に自分で文章やブログを直せるか、Search Consoleの設定までしてもらえるか、ドメイン(ホームページの住所)の名義が事務所になっているかを確認しておきましょう。

生成AIを使うときの注意

Googleの検索セントラルは、AIなどの自動化を使ったときはその使い方を利用者にわかるようにすること、AIで作った顔写真・架空の名前・偽りの資格は利用者を欺くものであること、検索順位を操作する目的で大量に自動生成したコンテンツはスパムに関するポリシー違反になることを説明しています。

AIの下書きは、必ず厚生労働省などの一次情報で確かめてから載せましょう。事務所でのAIの使い方は社労士のAI活用ガイドで解説しています。

公開したあとにやること

ホームページは、公開した日がスタートです。最低限、次の3つを続けます。

1. Search Consoleに登録する

Search Consoleは、Googleが無料で提供している、自分のサイトが検索でどう表示されているかを確かめる道具です。Googleの「SEOスターターガイド」でも、Search Consoleを設定して検索でのパフォーマンスを確認することが勧められています。

検索パフォーマンスのレポートでは、次の数字を見られます。

数字意味
表示回数検索結果に事務所のページが出た回数
クリック数検索結果からページが開かれた回数
クリック率(CTR)表示のうち、開かれた割合
平均掲載順位検索結果での平均の順位

表示されているのに開かれないページは、タイトルを見直します。表示回数が少ないうちは、平均掲載順位の数字だけで判断しないようにしましょう。

レポートでは、実際に検索された言葉(クエリ)ごとにも数字を見られます。そこでの発見が、次に書くブログのテーマになります。

2. ブログを続ける

ブログは、社長が検索する疑問に答えるページで、記事が増えるほど見つけてもらう入口が増えます。テーマは顧問先からよく受ける質問から選び、1記事で1つの疑問に答え、最後に関連するサービスのページと問い合わせへの道を置きます。月に1〜2本でもよいので、続けられる頻度を決めましょう。発信を続ける仕組みの考え方は、社労士の集客方法13選の「集客の入口をつくる5つのステップ」で解説しています。

3. 問い合わせの数と、その先を見る

アクセス数だけを見ていると、問い合わせにつながっているかがわかりません。毎月、次の数字を記録しましょう。

数字どこで見るか
検索での表示回数・クリック数Search Console
ホームページを見た人の数アクセス解析(Googleアナリティクスなど)
問い合わせの数と、その入口(検索・紹介・Googleビジネスプロフィールなど)問い合わせのときに「何で知りましたか」と聞く
問い合わせから顧問契約になった数自分の記録

問い合わせはあるのに契約に進まないなら、最初の相談の進め方を見直します(社労士の営業方法)。

あわせて、年に1回は全ページを読み直し、料金や対応地域、法改正で古くなった記事を直しましょう。

よくある質問

社労士事務所にホームページは必要ですか?

なくても仕事はできますが、紹介された社長も、連絡の前にホームページで事務所を確かめることがよくあります。実態調査では開設率は39.9%で、売上1億円以上の事務所では88.8%です。相関であって因果ではありませんが、「見つけてもらう・選ばれる・問い合わせてもらう」入口として用意しておくのがおすすめです。

ホームページを作ったのに問い合わせが来ません。何から見直せばいいですか?

まず、トップの一番上で「誰の・どんな困りごとを・どう助けるか」が伝わるか、料金と相談の流れが載っているかを確かめます。そのうえでSearch Consoleで、そもそも検索で表示されていないのか、表示されているのに開かれていないのかを見ると、直す場所が見えてきます。

地域名で検索したときに上位に出すにはどうすればいいですか?

Googleビジネスプロフィールでオーナー確認をし、業種・サービス内容・対応地域・営業時間を正確に入れます。ローカル検索の結果は関連性・距離・知名度の組み合わせで決まり、お金で順位を上げることはできません。ホームページのタイトルと本文にも、地域名と対応地域を書いておきましょう。

お客様の声がまだありません。載せないほうがいいですか?

実在しない声を作るのはやめましょう。連合会の会則では、誇大または虚偽の事項で相手を欺くおそれのある広告・宣伝が禁止されています。開業直後なら、所長の経験や「こういう会社を支援したい」という考えを書けば十分です。顧問先ができたら、了承を得てから載せます。

出典

調査結果・法令・会則・Googleのヘルプとガイドラインは2026年10月23日時点で各発表元のページを確認した内容です。実態調査の調査期間は2024年4月24日〜6月9日、宣伝・情報発信の設問の回答者は個人事務所の代表と社労士法人の代表社員(14,469人)です。Googleのヘルプやガイドラインは予告なく変更されることがあります。